中米とカリブ海諸国 植物の持続可能な利用を後押し
【メキシコ、メキシコシティ発 2012年11月19日】
メキシコ、中米とカリブ海地域のスペイン語圏7ヵ国の代表が、世界植物保全戦略(GSPC)の施行について話し合うために集まった。
GSPCは、世界中で植物の多様性の喪失を阻止することを横断的な目標として掲げる生物多様性条約(CBD)のプログラムのひとつである。
GSPCと新しい戦略施行ツールキットについては、インドのハイデラバードで、この10月に開催されたCBDの第11回締約国会議で、討議されたばかりである。
この地域ワークショップの参加者は、7ヵ国のGSPCの責任者に加え、植物保全に向けたグローバル・パートナーシップ(GPPC)、ニューヨークとコスタリカの植物園、プエルトリコ大学、メキシコ観光業先住民ネットワーク、トラフィックなどである。
トラフィックは、フェアワイルド基準について話をし、GSPCと、CBDの生物多様性戦略計画2011-2020の、双方の目標IIIを各国が具体的に実行するためにフェアワイルド基準がどのように役立つのかを説明した。
GSPCの目標は、国際レベルで設定されている一方で、戦略は各国で立てられる。トラフィックは、メキシコの植物保全戦略の刷新を歓迎し、同様に各国の植物保全戦略が進展し更新されるように中米とカリブ海地域の締約国を後押しする。
野生植物の持続可能で公平な利用のための目標IIIは、CBDの戦略計画施行の中核である20の愛知目標の達成へ向けて不可欠な一歩である。
トラフィックは、フェアワイルド基準について参加者と共有し、特にフェアワイルドの原則、評価項目、指標とGSPCの目標11、12、13の達成の関連性を強調した。
フェアワイルド基準は、GSPCの施行ツールキットの中では目標12の達成のための最も有効な手段(ベストプラクティスツール)として取り上げられた。 トラフィックは、生物多様性国家戦略・行動計画(National Biodiversity Strategies and Action Plans:NBSAPs)の中に、野生植物の持続可能で公平な利用を統合するため、あるいは具体的な国内レベルの植物保全戦略として、CBD締約国政府が、フェアワイルド基準の原則を利用することを推進している。
「トラフィックのこの会議での期待は、地域の野生植物の持続可能でフェアな利用を助けるためにフェアワイルド基準が導入されるように道が開かれることです」と、トラフィックの薬用植物プログラムのリーダーであるアナスタシア・ティモシャイナは言う。
「先日、フェアワイルド基準は、野生採取による薬用・アロマティック植物の利用を推進する民間主導の最良の手段の一例として、日本の生物多様性国家戦略の中に取り入れられました」
「これは、国レベルでのGSPC施行のために、各国がフェアワイルドの原則を利用する良い事例です」
『GSPCと生物多様性戦略計画2011-2020のための地域ワークショップ"Regional Workshop on the Global Strategy for Plant Conservation (GSPC) and the Strategic Plan for Biodiversity 2011-2020"』は、日本政府、植物園自然保護国際機構(BGCI)、CBD事務局、生物多様性の利用および知識に関する国家委員会(CONABIO)、メキシコ国立自治大学(National Autonomous University of Mexico:UNAM)の生物学協会植物園Botanical Garden of the Biology Instituteの支援により、11月15日~17日にメキシコシティで開催された。