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Published 26 September 2015

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中国と米国、国内象牙取引終焉を誓う ゾウの密猟との闘いを強く後押し

 トラフィックとWWFは、中国と米国が、現在の密猟の危機縮小とアフリカゾウの保護に向けた国際貢献のひとつとして、それぞれ国内の象牙取引を終焉させるとした発表(9月25日)を歓迎する。


 中国のXi Jinping(習近平)国家主席と米国のBarack Obama(バラク・オバマ)大統領は、"象牙の国内商業取引を停止させるための有効かつ適時な対応を取る"と、ワシントンでの首脳会議中に合意した。

 国連が、密猟と違法な野生生物取引への取り組みに対する目標を含む、新しい「持続可能な開発目標」を採択するほんの数時間前に、両国は、国際的な野生生物犯罪と闘うためにより広範に協力することも誓った。

 「WWFは、違法な象牙取引への取り組みとアフリカのゾウ密猟の危機終息のための国際的な対応策の大きな前進を示す、国内象牙取引を終焉させるための両国による明確な決意を称賛する」と、WWF中国事務局長Lo Sze Ping(ロー・ツィ・ピン)は述べた。「この重要な発表は、誓約した中国と米国が、象牙の違法取引と野生生物犯罪との国際的な闘いをどのように主導していくのかを示している」。

 およそ3万頭のゾウが、主にアジア、とりわけ中国での需要をまかなうための象牙目的で、アフリカで毎年、密猟されている。

 「トラフィックは、中国の国内市場を効果的に段階的閉鎖とするためのタイムテーブル、計画、調査やモニタリングの面であらゆる支援を提供する準備がある」と、トラフィックの中国オフィス代表Zhou Fei(ゾウ・フェイ)は述べた。「わたしたちは、中国政府が、象牙取引を早期終結するための計画を程なく発表することを願う」。

 取り締まりが適切におこなわれたなら、国内の象牙取引禁止は大きな影響を受けるが、需要が存続するかぎり取引禁止措置だけでは、違法な象牙取引を止められない。

 トラフィックとWWFは、象牙の需要削減、普及啓発の強化や、他国の政府・国際NGO・市民社会・民間企業および地域社会との協働、そして密猟のない未来をアフリカゾウにもたらす努力を継続するよう中国政府と米国政双方に期待する。