ベトナム:トラやヒョウなど大型ネコ類の違法取引に環境警察が爪を立てる
【ベトナム、ハノイ 2010年6月30日】
ベトナムの環境警察が、ベトナムの中央に位置するゲアン省で冷凍されたトラ2頭とヒョウ1頭を押収した。
これらは、先週初めジエンチャウ地区の53歳の男性の家からトラのものだと疑われる骨5kgとともに押収された。容疑者は逮捕された。
この押収は、最近設立された環境警察を含む法執行当局間の協力体制によって実現した。
トラフィックは、ベトナムの野生生物法の執行に対する努力を称賛する。「環境警察は、トラのような保護種の違法取引を差し止めることへ献身的に取り組んでいる姿勢を、改めて示した」とトラフィックのグレーター・メコン・プログラムのコーディネーターであるトーマス・オズボーンは言う。
ベトナムや国際法の下、トラやヒョウは保護されているにもかかわらず、密猟され、肉やみやげ物、伝統薬や虎骨酒を作るための骨めあてに、ベトナムをはじめ東南アジアで取引されている。
今年の3月には、ラオバオ国境(Lao Bao Border) の護衛警官がトラの体(95 kg)と黒色のヒョウ(27 kg)を押収した。これらはベトナムで売るために国境を越えて運ばれるところだった。
ベトナムに生息する野生のトラはわずか30頭程度であると推定されている。「もし、ベトナム国内に残存するトラや脅かされているその他の種を守りたいと考えるのであれば、これまでよりさらに当局による警戒を強化し、現行の野生生物法をサポートし、普及促進するため政府による精力的な取り組みが必要である」とオズボーンは言う。
トラは、特に寅年であるいま、絶滅の寸前にある種として世界的な象徴となっている。世界的に推定わずか3,200頭が残存しているのみで、野生のトラは10年の間にいなくなってしまうであろうという危機的状況にある。
トラは、中国の太陰暦の寅年にあたる今年、特に注目を浴びている。トラフィック、WWFやその他団体は今年、次の寅年である2022年までにトラの個体数を倍にするための政治的関与を確保するべく活動を続けている。